SNSだけの店、信用できる?と思われてる現実

SNSだけの店、信用できる?と思われてる現実

現代の買い物体験は、オンラインの世界に大きく依存しています。SNSを活用した販売スタイルは個人や小規模事業者にとって手軽でコストを抑えられるメリットがある一方で、消費者からの信頼を得るには課題も多いのが現実です。今回は「SNSだけの店」に対して多くの人が抱く不安や疑念の背景と、そのリスクを回避するためのポイントについて掘り下げていきます。


SNSだけのお店、なぜ不安に感じるのか?

InstagramやX(旧Twitter)、LINEなど、SNSを活用したビジネスアカウントの増加とともに、「このお店、本当に大丈夫?」といった不安の声も増えています。店舗情報がSNSしかなく、公式サイトや実店舗がないケースも多く、実際に商品を手に取ることができないため、購入者側としてはリスクを感じるのです。

このような状況に対して、多くの人が「認知的不協和」を感じています。つまり「SNSでは良さそうに見えるけど、実体がつかめない…」という違和感です。この感情が、「怪しい」「不安」といったネガティブな印象を生み出しています。


トラブル経験者は3人に1人!?

消費者庁の調査によれば、SNSだけを販売窓口としたショップで購入経験のある人のうち、約33%が何らかのトラブルを経験しているという結果が出ています。その内容は、商品が届かない、記載された情報と違う商品が届く、返金に応じてもらえないなど多岐に渡ります。

また、ショップ側と直接やり取りをすることが難しいため、問題が起きた際の対処も困難であることが多いのです。こうした体験が口コミやSNSで拡散されることで、「SNSだけの店=怪しい」といったイメージが強化されてしまいます。


実店舗や公式サイトがない店は42%

SNS販売のショップを対象に行った調査では、実店舗や独自の公式サイトを持たず、SNSのみで運営している店が全体の42%を占めることがわかりました。これは、消費者にとって「顔の見えない店」として不信感を抱かせる大きな要因です。

確かに、低コストで始められるSNSだけの運営は、個人事業主や副業レベルではメリットがあるでしょう。しかし、ユーザー視点では「実在するのか」「責任の所在があるのか」が不透明なままで、安心して取引するには不十分と言わざるを得ません。


トラブルを防ぐためのチェックポイント

では、消費者はどのようにして信頼できるショップを見極めれば良いのでしょうか?最も手軽かつ効果的な方法は「特定商取引法に基づく表記」を確認することです。

これは、事業者が取引に関して明示すべき情報(会社名・住所・連絡先・返品条件など)を明記したもの。これがあるだけで「責任を持って運営している店かどうか」がある程度見極められます。

実際に、特商法表記を明記している店舗は、トラブル発生率が約50%低いという調査結果もあります。これだけで安心感が大きく変わるのです。


ベビーステップ:まずは確認から

いきなり購入するのではなく、まずは以下のようなベビーステップを踏むことがオススメです:

  • 特商法の表記があるか確認
  • 返品・キャンセルポリシーの記載をチェック
  • 口コミやレビューを検索してみる
  • SNS投稿に一貫性があるかを見る

これらを確認することで、「なんとなく怪しい」から「信頼できそう」に変化していきます。SNS販売が主流になっている今だからこそ、情報リテラシーを高めることが求められています。


「怪しい」を「信頼」に変える一歩を

SNSだけでの販売という形態は、これからも増え続けていくでしょう。大事なのは、消費者としての「見極める目」を持つことです。情報を鵜呑みにせず、自分自身で調べて判断する力が求められます。

逆に、ショップ側も消費者の信頼を得るために「透明性」を意識することが重要です。特商法の表記、問い合わせ対応、商品の品質保証など、小さなことの積み重ねが「信頼」に繋がります。

あなたの選択が、より安心で満足のいく買い物につながりますように。